対談企画第ニ弾! 新世代
メタル・ギタリスト三者対談!

今回は友人であり尊敬してるギタリストの
CAZQUIくん (NOCTURNAL BLOODLUST),
TSUYOSHIくん (UNVEIL RAZE) と
3人のLINEグループで各自が質問や意見を投げかける対談してみました!
RYOJI (以下R): 2人とも賛同ありがとうね!
3人とも平成生まれでメタルギタリストやってるわけだけど、かなりマイノリティだよね?
CAZQUI (以下C): うん、それこそ俺もパッと思い浮かぶのはRYOJIくんとTSUYOSHIくん(笑)
TSUYOSHI (以下T): メタルギタリスト=ピロってるだと想うんだけど、最近少ないですからね。
R: この世代で普通に生きてたらメタルギタリストにならないよね?
C: 多分…なんだけど、何かを成し遂げられるオトナというか。
つまり、普通でない生き方を求めて10年以上生きてたら、本当に普通じゃなくなっちゃって、孤独を感じてたり (笑)
R: 俺にとって2人はただのギタリストに留まらず”ギターヒーロー”なんだよね。
かっこいいだけじゃダメだし、上手いだけでもヒーローではなくて・・・
立ち振る舞い、演奏力、そしてコンポーザーとしての個性を兼ね備えてる2人だと思う!
C: 俺、発信の際にギターヒーローってワードを用いた事が一度もなくて(笑)
きっと、自ら名乗るようなものではなくて、人からそう呼ばれるべきだと思ってるから…なんだけど。RYOJIくんのようなヒロイックなギタリストにそう評してもらえるのは凄く光栄だよ。
T: そういってもらえると嬉しいな〜!
RYOJIくんとの出会いは、もう4年以上前に都内のライブハウスでの対バンの時だったよね!
CAZQUIくんは、会った時既にお互い知ってました的な感じで、その日に2人で飯行ったよね!笑
この3人が仲良くなったのは、偶然じゃなく必然。なんちゃて。(笑)
C: うん、TSUYOSHIくんの事は前から知っていて。
ある日UNVEIL RAZEのHPを見て、凄いプレイヤーがいるもんだな、俺も頑張らないとって思ってたんだ。共通の知り合いが沢山いるっていうのもあったけど…初対面の時も、ずっと付き合いのある友人みたいなテンションで話せたよね(笑)
R: 俺は中継的に各2人と繋がってて3人で仲良くなれたのは嬉しい!
CAZQUIくんとTSUYOSHIくんとは10年、20年経っても付き合いありそうだなーみたいに思ってるんだよね!
T: 僕にとって2人は本当に特別なギタリスト。
コンポーザーという立場でも一緒だから悩んだ時はすぐに2人に電話しちゃう!(笑)
でも18歳の頃に楽曲に関しては、他人の言う事を聞かない事にしたよ。だってみんな言って来る事違うし!笑 だし、CAZQUIくんもよく言ってる通り、やりたいプレイ出来なかったらつまらないし!!
C: 今となっては誤解されやすいけど、元々コンポーザーとしては総合バランスを取りたがるタイプで。いわゆる『メタルギタリスト』として振り切ったのがDESPERATE(2014年)という楽曲からだったり。TSUYOSHIくんの言う通り、ほんと、悩みは尽きないよね(笑)
R: 俺はギタリストの自分とコンポーザーとしての自分が全く違う人格でさ。
作曲時はメタルギタリストだなんてこと考えたことすらないかも。
ただステージでは昔の自分が見てかっこいいと思ってもらえるような存在になりたいとは思ってるかな!
ー3人のバックグラウンドー

T: この3人は見事にプレイスタイルが違うよね!
そこで皆さんは誰に影響受けました~?邦楽ギタリスト、洋楽ギタリスト両方知りたい!
C: HM/HR、J-POP、シューゲイザー、各ジャンルに尊敬しているプレイヤーは沢山いるけれど、自分のプレイスタイルに直接的な影響を及ぼしてるのは、洋楽なら初期ARCH ENEMY(現BLACK EARTH)におけるマイケル・アモット氏とクリストファー・アモット氏のツインリードかな。
あと、ジョン・サイクス氏、イングヴェイ・マルムスティーン氏… 邦楽は松本孝弘氏(特にYAMAHA使用時代)、高崎晃氏、橘高文彦氏、SUGIZO氏って、もう挙げていくとキリがないんだけど(笑)
ギタープレイだけでなく、立ち振る舞いの全てからその人の音が聴こえてくるようなギタリストが好き。自分自身もそう在れたら良いなって思う!
R: 俺もキリないほどたくさんギタリストからの影響あるんだけど、
ある時期からギタリストからの影響ではなくてピアニストとかフォークミュージシャン、クラシック等の音楽からの影響が大きいかな。だからギター=メロディを奏でるものって意識が強い。
ひとり挙げるとするならトータル的にKISSのポール・スタンレーかな。俺はフロントマンでもあるからギタリストとしてではなくバンドをやる人間として影響受けてる。
T: 僕は邦楽だと布袋寅泰さん、松本孝弘さんだな。
洋楽だとザック・ワイルド、ダイムバッグ・ダレル!!!でも、ほっとんどコピーした事ないんだよね。(笑)
C: ヴァン・ヘイレン氏の語録で『ギターソロはケーキの蝋燭だよ』ってのがあるよね。
これは凄く、言い得て妙だなと。
ケーキ…つまり楽曲。土台が良くなければダメ!って事だけど。ただ、そのケーキに華やかなローソクが乗れば、特別なケーキにもなり得る。…上手い事言うよね(笑)
元々はエリック・クラプトンのLaylaを聴いてエレキギターを始めたんだよね。
R: 俺もLaylaのあのイントロはやられた、、、
あの時代ってなんだったんだろ。ギターやらなきゃ!ってゆう魔力あるギタリスト多い。
そしてCAZQUIくんとTSUYOSHIくんにはその魔力があると感じてる。
2010年代からそうゆうギターヒーローのいるバンドが日本も海外も出てこない中、UNVEIL RAZE、NOCTURNAL BLOODLUSTは風穴を空けると思ってるよ!
T: フロントマンには、悪いけどいつも負けないよ?って気持ちでステージ立ってるかな。よくボーカルより目立っちゃダメだよ~とか言ってくる人いるけど、じゃあボーカルがもっと頑張って目立てばいいんじゃね?って思ってる。(笑)
R: 尖ってるねー!TSUYOSHIくん!!
T: てか。ぜっっっったい僕よりも2人の方が尖ってる!!!(笑)
C: 尖ってるのは…三人ともじゃない?(笑)ほら、ギターのシェイプ…

各自から見てこの3人のギタリストとは?
R: 各自それぞれに対してどんなギタリストだと思ってるかな?
T: RYOJIくんは、歌いながらピロりすぎてる変態。CAZQUIくんは、変態。
C: 誤解を招きかねない感想(笑)
T: 誤解を招くとあれだからちゃんと説明すると、CAZQUIくんはまずステージングが変態。観ちゃうよね。あと、本当にいろいろ考えて音も作るしプレイもするし。
RYOJIくんは、ザ・漢なプレイなんだけど、見た目はバルログみたいで美しい!両者変態!
R: 結局変態で落ち着くのね(笑)
CAZQUIくんはね”狂気”なんだよね。それは最初観た時から今も変わらない!
誰々みたい〜的な言われ方は嫌かもしれないけどhideさん初めて見た時と同じような感覚あった。
C: hideさんのようだなんて、むしろ見に余るほど光栄だよ!
R: TSUYOSHIくんはね、男気だね。
ただ雑とか荒いとかそうゆう要素一切なくてタイトすぎるほどタイトにキメてくる。 日本人ぽく無くてアメリカのギタリストみたい。
C: 二人に対する最初の印象は…二人とも凄くエモーショナルなプレイヤーなんだけど、RYOJIくんは雪深い北欧の哀愁、TSUYOSHIくんはアメリカンハードロックの乾いた哀愁を感じさせるプレイヤーという印象だった。 …でもね
T&R: でも!?(ゴクリ・・・)
C: 自分自身ノクブラでヨーロッパツアーに行った時に思ったんだけど、RYOJIくんの放つ空気感は北欧を模倣したものではなく、地元・北海道の空気感そのものだなって。 これはもちろん、凄く良い意味でね。もはや、あっちにここまでやる人いないんじゃないの?ってくらい振り切った旋律だと思う。そしてTSUYOSHIくんは凄くワイルドで、それこそアメリカンハードロックの著名人に名を連ねていてもおかしくない雰囲気なんだけど、UNVEIL RAZEのアルバムをしっかり紐解くと、良い意味でJ-POP的な、絶妙なバランス感覚とキャッチーさがある。 つまり、二人とも洋楽然とした第一印象を与えつつも、日本人としてのアイデンティティが裏打ちされていると思う。
T: あ、僕も細かく言い直したい!(笑)
R: 俺も自分の文が恥ずかしくなってきた、、、(笑)
T: 2人とも共通して言える事は、凄く人間味あふれるサウンドを出してくるんだよね。
とにかく泣けるギターなんだよぉぉ!
RYOJIくんは、どこまでも臭メロでギャンギャン言わせてくる良い意味で譲らないリードギタリスト。常にリード弾きながら歌うってどうかしてますよ。
CAZQUIくんは、互いに松本さん好きってのもあって同じ匂いを感じるプレイもあったりしたんだよな~。
今時あの半止めワウサウンドをリードで弾いてるギタリストが居るとは思わなかった。そこは結構意気投合した部分では、大きいところかな。あとは、ステージングが変態。あんな動きながらピロるのは、相当難しいから。とりあえずあれだね、両者変態なんですよ。(笑)
R: そういえば3人ともLOUD PARK, OZZFESTとか出演したけどどんな感じだった!?
T: 僕は2015年に開催されたOZZ FEST JAPANに出演したんだけど、あの光景は忘れないだろうな。他の出演者もほとんど好きなアーティストばかりだったし、バックステージも最高だった!(笑)
特別にBullet For My Valentineの楽屋に入れてもらったりもして、みんなと話したり。凄くフレンドリーで楽しかったよ。
ステージ終了後にKoRnのステージ関係者に肩を叩かれて良かったぜ!って言われたのも嬉しかったな!haha あの時点では、人生で一番楽しいライブだったかな。
C: 俺は、どんな機材を使っても、基本的に80年代のアリーナロックっぽいソロトーンを作りたがるの。小さい頃からそういう音が好きだったからね。
ディレイがかかって、ウェットな感じでさ。
で、この日はさいたまスーパーアリーナだったんだけど…勝手にギターの音が反響して、自然に山びこ効果がかかってんの(笑)
なるほどな、これはそもそも見晴らしの良い場所から自然に生まれたスタイルなんだなって思ったよ。で、目の前には沢山の人。「普段どこに隠れてるの?(笑)」ってくらいメタル好きな人が集まってて。
多分、俺はその中の一人とHM/HRバーとかで会ったら、朝まで飲み明かせると思うのね。…いや、実際にそういう事もあるけど(笑)俺、そんな同志と一人でも多く出会いたいんだよね。
世間にニッチなジャンルと称されていても、未ださいたまスーパーアリーナに敷き詰められる人口を持つカルチャーなわけでしょ。
そこに新たな住民を一人でも増やせたら良いなと思ってる。
そして住民の一人にでも多く自分の音を届けられたら良いなと思ってる。そんな気持ちが更に強まる祭典だった。
R: なるほどね〜!俺はね自分が出演するまでLOUD PARKって入り口までしか行ったことなかったの。
何故なら一番出演したかったフェスだから。出演者になるまで門をくぐりたくなくて。
んでいざ出演!ってなったんだけどちょうどChildren Of Bodom/CARCASSとのアジアツアーから帰国してすぐで寝れてなかったんだよね。
そのお陰なのかビックリするほど冷静にGYZEを魅せよう。ということだけ考えて良い演奏ができた。でもきっと寝れてなかったのはこれまでのあのフェスへの熱い想いがオーバーヒートしてただけだったんかな〜とも最近は思う (笑)

魅せるギターとシーンに対する想い
C: テクニックや技術的な面で言えば、俺は自分が上手いとは1ミリも思ってないし、常にもっと上手くならなければいけないと思ってる。
でも、まず前途としてカッコ良くなければ、かつての自分のように少年少女がエレキギターを始めるきっかけにはならないと思う。
だから、ステージングなんかを褒めてくれるのは凄く嬉しく思うよ。
音楽のクオリティありきで自己演出には拘ってるつもりだけど、それが結果としてヴィジュアル系と呼ばれるのであれば、俺はそれを恥ずべき事だとは一切思わない。
R: かっこよくてはならないってゆうのは間違いない絶対条件だよね。
二人とも”かっこいい”があるからヒーローだと思う!
C: 俺は、二人こそがヒーローだと思ってるの。
なんでかっていうとね、メタルギタリストとして王道を歩めていると思うから。
もちろん俺は自分自身が選んだカードで勝負をしなければいけないと思っているし、ヴィジュアル系として括られる自分の生き方、生み出す音楽に誇りあるんだけどやっぱり二人には凄く憧れるんだ。
R: ん〜俺としてはノクブラはヴィジュアル系というかNOCTURNAL BLOODLUST。
この前一緒に行ったメタルバーでも直接言ったけどノクブラに〇〇ぽいが無いんだよね。
メタルってゆう大きな基盤はあると思ってるけど。
T: まさにRYOJIくんの言う通りで、ノクブラは本当に何々っぽいてのがないの!
それって凄い事だと思う。
R: UNVEIL RAZEもぶっちゃけ何処に属するバンドかわからなくて、逆にそれが俺には魅力的に映る!
メタリカも昔、パンク小屋いけばメタル小屋行け。メタル小屋に行けばパンク小屋に行けと言われてたみたいだしね。
そもそも誰かみたいになろうとしてもなれるわけないし、何かに括れるほどのもんなんて所詮はそこまでだ。とも思うんだよね!
C: 知っての通り、俺はメタルもヴィジュアル系も好きで、自分はその両方だと思ってる。
でもヴィジュアル系界隈では『メタルの人』。
メタルハードコア界隈では『ヴィジュアル系の人』。
そういう他所様っぽい扱いを対バンの人や関係者にされる事が多い。でも俺自身にはホームなんてないっていう(笑)
もちろん、Ryojiくんの言う通り、誰かの代わりはいらないと思ってる。
これで良いってことも分かってる。
分かっていても、孤独感が常に付き纏ってくる。
バンドの認知度が上がれば上がるほど、それが増していってる。
だから、この対談に名前を連ねられた事が凄く嬉しいよ。
R: 過去のメタリカと同じ境遇なんだね!
その立ち位置は俺からすると理想のようなポジションだなぁ、、、
TSUYOSHI君はシーンに対して見解とかある?
T: ぼくは、シーンに対して見解とかは特にないかなー!
何回も言うように、ギタリストとしてもブラザーとしてもRYOJIくん、CAZQUIくんは、僕にとって特別な仲間。特別な・・・・言葉では言い表すのが難しいかな。
R: 俺たちはその垣根を超えてお互いが自立して共演したいね!
って11月早速共演だしね!(11/11 メタハピVol3 で共演予定 )
C: 俺がギターを始めたばかりの頃の夢は、とりあえず『職業ギタリスト』という、ぼんやりしたイメージだったんだけど。
当時、リスナーとして欲していたのは単純に良いと思える音楽だったり、良いと思えるギタープレイだった。
それさえ伴っていれば、好んで聴いているアーティストが括られているカテゴリなんてどうでも良くて、シーンにもジャンルにも固執していなかった。メタリックでカッコ良いギターが鳴っている曲であれば、良質なメタルの一つとして捉えて、純粋に楽しめた。でも、発信する側になって、自分が思っているよりもシーンや括りで音楽の良し悪しを判断する人が多い事を実感して、とてもショックを受けた。 少なからずそういった風潮を変えていけているのであれば、凄く嬉しく思うよ。11月11日のメタハピも、細かい事抜きに盛り上がれるイベントに出来たら良いね。
R: きっとあれだね、100年200年経った時に今いる日本のハイゲインなバンドを大きな一括りで聞いてもらえてたら本望だよね!
C&T: YES!!
NOCTURNAL BLOODLUST
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